同人女のぼやき

腐女子やめられない

人は変わるとはいえ切ない他

私は、小説は心理描写が丁寧な作品が好きなのだが、その「心理描写が丁寧」とはどういう事なんだろうと思う。

むしろ自分の2次小説は簡潔に書きすぎて味気ない、余韻がない。しかし丁寧に書くとだらだらと余計なことを書いている気がして、簡潔な単語でまとめてしまう。

結局どういう部分で「心理描写が丁寧なのが好き」って言ってるのかわからなくなってきた。好きな作品をさらに読み込んで、どこが好きなのかをもっとはっきりさせた方が見えてくるかも。

その2

とある文章に心揺さぶられた。

「好きな作家のSNSでの行動に幻滅した」という話で内容自体は重いものだったが、「作者と作品は別である」それをとある映画を引用して説明された文章の素晴らしさに感動してしまった。

私もその作品を視聴したことがあったが、こんなメッセージが含まれていたのか、と今になって気づかされたし、辛い経験もこうして熱のある文章として表現できるのが凄いと感動した。

その3

好きな商業BL作家さんがいる。

BL漫画は読んでたけど小説も開拓したくて、「〇〇な性格の受けと、××な性格の攻めが出てくるやつ」と大雑把ながらタイプを絞って調べたところ、ある小説がヒットした。タイトルと出版社、作家名をメモし、某市の駅内にある本屋で購入したのを覚えている。

とっても面白かった。

BLとしての良さ、ストーリーの良さ、キャラクターの良さ全てが兼ね揃っている。初めての商業BL本だったが「この本は他のBLとは違う圧倒的な凄さ」があると感じさせられた。これでこの作家さんのデビュー作というのだから怖い。どうやら同人時代にスカウトで小説家になったらしく、才能ある人はもう昔からそんなオーラが出てるんだなと納得。

それから彼女の本を集め始めた。どれも驚くほど面白い。読みやすい文章、彼女にしか書けない独特な表現。なんというか「こんなにストーリーが面白い上に、男同士がくっつくし、さらにそんなことまでやってしまうの?」みたいな凄さがあった。正直R18シーンはすごくえろいってわけではなく、でも「あの2人がこんなことを……」と読み手をときめかせるのが上手い。

何冊か読むうちに「この人、いつか一般書籍で文章書くだろうな」という感覚が芽生えた。

そうして現在、彼女はBL以外の本を書いている。

非BLデビュー作も購入して読んだ。

文章の読みやすさに面白さ、構成の仕方、とても素敵な独特な表現で、心に残る文章を書かれるのは変わらなかった。でも重くて暗くて、苦しい話が多くしんどかった。この人の書いた本で読む手が進まなかったのは初めて。

最近は明るい作風が好きだから、そんなふうに受け止めてしまったのかもしれない。

でも、作風の引き出しの多さにやっぱり凄い人だったのを再認識した。

本音を言うと、私はこの人の書く文章でBLが読みたい。この文章で男同士の感情をまた書いてほしい。読みたい。

BLより一般で活動した方がいいんだろうな、というのは感じるけど、やっぱりBLだからこその良さもあるよな。

もし彼女の他作品を読んで心が動かなかったら「彼女の本が好き」なのではなく「BLだから好きだった」ってことになりそうで怖い。明るめの作品も出しているのでそっちも読んでみて、自分はどう感じるんだろう。

人が変わるのは仕方ない(むしろおめでたい変化)なのに切なくなってしまうな。彼女のBL本の既刊は未だ全部読めていないので楽しみはたくさんあるんだから、そっちの嬉しさに目を向けたい。

ちなみに、この作家さんに出会ってから暫くして今のジャンルにはまって小説書き始めたけど、投稿するきっかけをくれた自カプの人も、この作家さんが好きらしい。

好きなカプが同じで解釈が好きで、さらに好きな作家さんまで同じ、って勝手ながら、心の中で舞い上がってしまったことを思い出したという話。